神戸ではスイーツやパンがなぜ有名なのか?

 

近畿の中でも洋食や洋菓子で有名なのが神戸です。もともと神戸は明治時代に外国に向けて開港された港があった場所で、他の開港した地域と同様に外国人を住まわせる「居留地」が作られましたが、その建設スピードが外国人の増加に間に合わず、臨時の対策として居留地以外の地域に住むことを許可することになったのです。

日本人と外国人が一緒に生活する場所「雑居地」ができたのは当時神戸だけ。外国人は神戸の町に根を下ろし、外国人のための施設が居留地の外にもできました。隣に住むのが外国人だったり、外国人向けのレストランやパン屋、スイーツの店などができ、当時の神戸の人達の目と口に触れることになりました。他の地域に比べて一般の人たちに洋菓子や洋食が早く、広く、馴染むことになったのです。

神戸の人は「新しいもの好き」とよく言われますが、この「雑居地」の特性が、それを生んだといっても過言ではないでしょう。神戸のご当地グルメが生まれる一番大きなルーツは「雑居」することで西洋とのミックスが自由に行われたということにあるのです。

明治時代に創業し、今も続くパン屋、洋菓子店などが数多くある風土で、生まれた時から本格的な味を知る地元の人たちに培われ、数多くのスイーツの店が次々に生まれ、ひしめき合っているのが神戸です。コンパクトな土地柄から、それぞれの店のオーナーやパティシェも顔見知りのことも多いのも特徴で、「老舗A店で修行して独立したBさんが新しくお店を開いた。じゃあ一度行ってみるか」というようなことを自然と一般の市民が話すような土地柄が、さらに新しい味やお店を育てる土壌となり、「神戸といえばスイーツ」という風土を形作っているのです。

1日で回りきれない、食べきれないほどのスイーツやパンがある街なので、好みを下調べしたほうが満足できると思いますが、とりあえずどういうものがあるのか知りたい。ということであれば、三宮駅のデパ地下や地下ショッピング街のスイーツ売り場に行ってみるのがおすすめ。レアなものはありませんが、有名どころは揃っています。